TrueTypeフォント 'アニト-M等幅' を改造します。
購入
私はみやすいフォントをずっと探していたのですが、書体関係Wikiで アニト等幅が推薦されていました。 http://wiki.fdiary.net/font/?unixuser200403-1#l14
さっそく無料試用版の 'アニト-等幅教漢' を試してみました。 https://www12.myssl.jp/www.type-labo.jp/web/Hanpuanito.html 日本語文字もいいですが、私には特に半角英数字のデザインがよい点が 気に入りました。
これまで、半角英数字デザインがよくない日本語フォントばかり見てきたため 英字フォントと日本語フォントを別に指定できないソフトなどで どのフォントを使うべきか悩みどころでした。 このフォントなら問題ないです。
ただ購入するときサイズで迷いました。Windows2000 のアンチエイリアスだと サイズ L では細いため文字が薄くなってしまいます。 サイズ M なら文字の濃さは問題ありません。
一方 WindowsXP のクリアータイプだと、サイズ M は なんだか縦方向がギザギザになります。 サイズ L のほうがギザギザが目立たずきれいです。
わたしは仕事場の Windows2000 で使用することを考えて、サイズ M を購入しました。
このフォントは個人用途であれば、フォントの改造を許可されています。
商品版フォントには次のような特例を設けました(2004年1月)。
購入者の方のために、以下の条件でフォントファイルの改造を許容します。
・商品版フォントを購入された方ご自身が改造し、ご自身だけが使用する場合のみ、不都合と感じる部分の改造を許容します。
・ただし、改造したフォントを人に譲ったり配布したりすることは、許可いたしません(他の分野の著作物と同じですね)。
以下、フォント改造方法を記録しておきます。
半角円記号をバックスラッシュにする
書体関係 Wiki - フォント関連の基礎知識 http://wiki.fdiary.net/font/?unixuser200403-1#l14 には、
バックスラシュキャラクタは、\u005cに入れてあります
と書いてありますが、この情報では私はどうすればいいのか分かりませんでした。
私はフォントエディタ FontForge を使い、 バックスラッシュの文字のところに / (スラッシュ) の字形をコピペしてから 上下にひっくり返しました。
すべてのサイズでアンチエイリアス
この 'アニト-M等幅' は、12ポイントかそれ以下の大きさで使うと Windows2000ではアンチエイリアスがかからずギザギザにレンダリングされます。
12ポイント以下でもアンチエイリアスされるように修正する方法が、 NTEmacs21 私のフォント設定 http://homepage.mac.com/matsuan_tamachan/emacs/NtemacsFont.html に書いてありました。
gasp テーブルを書き換えます。
- ttmodify http://www.vector.co.jp/soft/dl/win95/writing/se128684.html でフォントを開き、 'Delete Table' で gasp テーブルを削除。そしてフォントを保存する。
- バイナリエディタで 00 00 00 01 FF FF 00 03 を作って保存。
- 1で保存したフォントを開く (1の作業をした直後でも必ず開きなおすこと)。
- 'Add Table' で gasp テーブルと指定して、2 で作成したファイルを指定する。 + そしてフォントを保存する。
- これで すべてのサイズでアンチエイリアスが効くようになった。
アンダーラインが下に来すぎるのを修正する
'アニト-M等幅' フォントを Webブラウザ Firefox やメールソフト Thunderbird で使うと、 文字のアンダーラインが下に来すぎます。 また、アンダーラインが太くて邪魔な感じです。
これを修正する方法:
アンダーラインが太いのは、 フォントエディタ FontForge で [Element - FontInfo - General - Underline Height] を変更します。 初期値は 118 ですがそれを半分の 59 くらいにすれば細くなります。 (20 くらいにしたほうがいいかも)
アンダーラインの位置は OS/2 テーブルを修正します。 フォントエディタ FontForge で [Element - FontInfo - OS/2 - Metrics - Typo Descent Offset] を、 初期値は -160 ですがそれを -30 くらいにすれば普通になります(もっと文字に近づけるなら、-15 くらいにしたほうがいいかも)。
区別しづらい文字を判別しやすく
'アニト-M等幅' フォントは下記の文字については最初から 判別しやすくなっています。
1 l I | (いち, エル, アイ, 縦棒(パイプ)) 0 O (ゼロ, オー)
しかし、以下の文字はかなり区別つきにくくなっています。
: ; (コロン, セミコロン) . , (ピリオド, コンマ) ( { (丸かっこ, 中かっこ) - ~ (ハイフン, チルダ) ばぱ (ba, pa) びぴ (bi, pi) ぶぷ (bu, pu) べぺ (be, pe) ぼぽ (bo, po) ー― (音引き, ダーシ)
後者の区別のつきづらい文字は、 フォントエディタ FontForge を使い 手動でアウトラインを修正します。
12ポイント程度でも区別できるよう、目立つよう大胆に変更します。 美しさはそこなわれてしまいますが、ここでは美より判別しやすさをとりました。
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