4段TRON配列(2)

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日本語入力に、TRON配列を改良しつつ使っていました。 TRON配列の特徴のひとつ、「濁点・半濁点をシフトを使ってうちわける」のはシフト押し遅れでうまくいかないことがあり、少し不満になっていました。


「濁点・半濁点は、JISかなのように後から付ける」方法を試してみたくなりました。そこで配列に変更を加え、二週間ほど試用しています。

TRON配列とだいぶ離れてしまったので、ここでは「4段TRON配列」と呼ぶことにします。


配列は現在は下記のとおりになっています。



特徴は次のとおりです。

TRON配列とのちがい

  1. 配列が、「シフトなし」と「シフトあり」の2面を使い分けるだけになりました。

    二つの親指でシフトを使い分ける必要がありません。小指シフトでも OK。親指シフトファミリーから離れ、むしろ新JIS配列に近くなっています。

    英語キーボードでも使えるようになりました。(小指シフトを使う場合)

    ただし私は小指シフトを多用するのはいやなので、いままでどおり親指でシフトしています…。

  2. 数字段も使う4段配列になりました。

  3. 数字段に置いた文字以外は、TRON配列のキー配置そのままです。

それぞれのキーをなぜ移動したかの理由

  • 「を」「゛(濁点キー)」

    濁点をすばやく入力するためには、1)濁点をシフトなしで入力できる 2)ホームポジション近く、という2点の条件を満たす位置に濁点キーを配置する必要がありました。

    しかしTRON配列のホームポジション付近は使用頻度の高い文字が配置されているため、どの文字も動かしづらいです。

    そんな中で、「を」は接続語としてしか出てこない文字で、語中には出てこないため、多少遠くになってもキー入力スピードへの影響が少ないだろうと推測できます。

    あと、TRON配列標準では「お」と「を」がシフトあり/なしの同じキーに配置されていて ときどきまちがえたので、別のキーに配置するとまちがいが減るだろう、という予測もできました。

  • 「゜(半濁点キー)」

    シフトを押さず、それなりに押しやすい位置に置きました。

  • 「ほ」「え」

    これは親指でシフトを押しながら同じ手の人差し指を伸ばして[t][y]といった遠いキーを押すのが大変だったため、移動しました。

  • 「−」

    中指は長いので、同手で「親指によるシフト+う」を押すとき「う」を押す中指のほうが先にキーを押してしまってミスタイプになることがよくあったため、シフトなしで入力できる位置に移動しました。

  • 「け」「わ」

    同手シフトの親指+人差し指はなんとなく入力しづらく、特にこの2つはあまりいい感じではなかったのでシフトなしで入力できるキーに移動しました。 あくまで私の感覚なので、別の人だと別の感想を持つかも…。

感想

少し使ってみた感想ですが、なんだか楽に入力できるようになりました。これまでの TRON配列していたときは5kgのリストバンドをつけていたかのように感じられるほど、軽く指が動きます。


ただし、リズムがどうもずれる感じです。これまでの TRON配列は「きょう」も「ぎょう」もまったく同じ感覚で打てていましたが、濁点をあと打ちにした結果、「ぎょう」はどうもテンポがずれるというか、「きょう」とは違ったテンポになってしまいます。

あと、この配列は 手 が一般の人より大きいと思われる私に合わせて作られているので、手の小さい人には向いてないと思います。

ツール

この配列を Windows98/2000/XP で使うために、わたしは 親指ひゅんQを使っています。

  • 4段TRON配列 20060301版の設定ファイル


ほんとは MS-IMEローマ字入力カスタマイズだけで実現できないか、と最初に思いついたのですが、「,./[]-=」 などのキーは常にデフォルトの設定になってしまうという仕様 http://www.massangeana.com/mas/charsets/hana/hanasetup.htm のため、 '/' キーに「っ」を割り当てることができず断念。


そこで菱というソフトを使ってみましたが、いくつかの文字が化けてしまう、たとえば「け」を入力したはずなのに「ほ」になってしまう等の不具合があったため、使用を断念。けっきょく今まで使っていた親指ひゅんQを継続使用しています。


追記 2009-09-05

このあとも細かくキー配置を変更して、最終的に 2006-04-26あたりではこのようなキー配置になっていました。



自分としても意外でしたが、キー配置を修正すればするほど、キーボード最上段のキーのほとんどに文字を配置することになってしまいました。


親指でシフトを押すよりは、たとえ最上段の離れたキーでもシフトを押さないほうが自分としては好ましい、という感覚があったんですね。


ここから思いついたのは、「シフトなし」「4段をすべて使う」を好むのなら、JISかなでいいんじゃないの?ということです。というわけで 2006年5月からはTRON配列の使用をやめて、JISかなを試してみました。そして3年半たってもまだJISかなを使っています。