簿記の学習(14) 消耗品、減価償却

(○-○) 貸倒引当金はすべて理解はできなかったので、後回しにして次に行こう。


(・∀・) 全部理解してからのほうがいいのでは…


(○-○) 参考書にも詳しく書いてないからな……理解してなくても合格はできるから問題ない。
次は消耗品の処理だな。これは当期に使ったぶんだけ費用にして、使ってないぶんは資産として次期に使うことにする(繰り越す)、というそれだけだな。


消耗品を購入
消耗品費(費用+) 現金(資産−)

(借) 消耗品費  85,000      (貸) 現金  85,000


決算のとき、消耗品は4分の3しか使っていないことが分かった
消耗品(資産+) 消耗品費(費用−)

(借) 消耗品  21,250      (貸) 消耗品費  21,250


(・∀・) 消耗品って具体的になんだ?


(○-○) 「事務用品や工具器具備品などで、耐用年数が1年未満のものや取得価額が1つ10万円未満のもの」らしいんだが、実際のところ確定申告の本ではソフトウェアやパソコン本体は「10万円未満なら」消耗品費でいいって書いてあるな。10万円以上なら減価償却が必要な固定資産になるけどな。

ちなみに http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5408.htm によると、「青色申告法人である中小企業者」は2010/3/31まで、「30万円未満」の固定資産(パソコンやソフト等)は減価償却しなくてもいい、つまり消耗品費とかにしてもいいよって書いてある。
この「青色申告法人である中小企業者」には個人事業主も含むのかな……入んないっぽいな


(・∀・) 「消耗品費とかにしてもいい」っていいかげんな言い方だお


(○-○) 個人事業主の確定申告の場合、つまり簿記3級レベルだと、実は「消耗品費」「ソフトウェア費」「事務用品費」なんだっていいんだよ。適当な勘定科目を自分で作っていいのさ。でも簿記2級レベルつまり株式会社の場合は勘定項目はかっちり法律で決まってる。

まあ簿記検定では、標準的な勘定項目っていうのがあってそれを覚えるんだけどな。



(○-○) 次は固定資産の減価償却について学ぶ。

10万円を超えるパソコンやソフトを購入すると、固定資産になるんだ。
たとえば MacPro をAppleStoreのBTOでオプション全部フル装備にしたら、¥3,129,820 になった。


(・∀・) 313万円! MacPro1台をフル装備しても、そこまで早くないお! iMacにおいつかれるくらいだから。やめておけお!


(○-○) あくまで例えの話だ。このパソコンは仕事で使うために買ったので、経費算入できる。だけど10万円を超える固定資産は一度に全部経費にすることはできないんだ。
google:耐用年数表 site:go.jp によると、「パーソナルコンピュータ」の法定耐用年数は4年。つまり4年かけて経費にしていくことになる。


(・∀・) たしかにMacProなら4年は使えるお。iPhoneなら2年しか持たないけど。


(○-○) 2008年9月に買った場合、2012年8月でやっと全部経費にできるってわけ。
以下の式で計算すると……

減価償却費=(取得原価 − 残存価額) ÷ 耐用年数

ちなみに残存価額は取得原価の10%で計算するぞ。
すると、残存価額=取得原価 3,129,820 × 10% = 312,982

減価償却費=(取得原価 3,129,820 − 残存価額312,982) ÷ 耐用年数 4年 = 704,209.5


(・∀・) 一年で70万円、経費にできるわけかお。


(○-○) そうだ。ただし帳簿処理として2つある。

1) 直接控除法(ちょくせつ こうじょ ほう)

購入
現金一括払い(資産−)、備品ゲット(資産+)

(借) 備品 3,129,820      (貸) 現金  3,129,820

決算
備品の価値が減る(資産−)、減価償却費(費用+)

(借) 減価償却費  704,210      (貸) 備品  704,210

ただし¥704,210まるごと経費にできるのは、2年目以降だな。1年目は、1月に買ったのでない限り月割りになるから、たとえば9月に買った場合9,10,11,12月の4か月÷12、つまり¥704,210の3分の1しか経費にできないぞ。2,3,4年目は70万まるごと経費計上できる。で5年目の1〜8月まで終わって¥704,210の3分の2計上して、やっと全部経費にできる。


(・∀・) 結局、帳簿の上では減価償却が終わるまで5年かかるのね。ちょっと長いかな。


(○-○) まあ実際のところはWindows機なら10万以下でまともなデスクトップが買えるから減価償却は必要なかったりする。


2) 間接控除法(かんせつ こうじょ ほう)

購入のときは同じ

決算
備品の価値は減らないことにする
その代わり減価償却累計額(げんかしょうきゃく るいけいがく)が減る(資産−)、
減価償却費(費用+)

(借) 減価償却費  704,210      (貸) 減価償却累計額  704,210


この場合、備品を手放さない限り10年後でも
備品¥3,129,820(資産)と減価償却累計額¥2,816,838(資産−) がずっと帳簿に残り、
帳簿価額はこの2つを引き算した¥312,982になる。


減価償却累計額は、固定資産(ここでは備品)の反対側に 常に位置するんだ。
固定資産は「資産」だから、減価償却累計額はその反対、つまり「マイナスの資産」ということになる。


しかし今のMacProはBlurayドライブもついてないし2年半で売ってしまうことにする。
2008年9月購入、2011年6月売却
取得原価 3,129,820
減価償却累計額 1年目234,737+2年目704,210
減価償却費 352,105 (=704,210 x (6か月÷12か月))
売却価格 40万で売って現金を受け取った。

→備品がなくなる(資産−)
現金が入る(資産+)
減価償却累計額がなくなる(資産−の逆だから+)
2011年1月〜6月のぶんの減価償却費を引く(費用+)
帳簿価格より低く売ったので固定資産売却損(費用+)

(借) 減価償却累計額    938,947      (貸) 備品  3,129,820
     減価償却費        352,105
     現金              500,000
     固定資産売却損    869,295


(・∀・) だから高く買いすぎたんだお。87万も売却損してるお。


(○-○) それを上回る利益が出せたなら問題ないけどな。