簿記の学習(7) 当座預金(小切手)、未払金、前受金、仮受金、預り金1

(○-○) 当座預金というのは、銀行口座なのだが、通帳がなくて利息もつかない。預金の引き出しに小切手しか使えない、という特殊な口座なんだ。

逆にいうと、小切手を発行した(振り出した)ということは当座預金のお金が減るってことなんだ。


「まずは当座預金を開設して、現金100万円を預けた。」
当座預金は資産+、現金を払ったから資産−。

(借) 当座預金  1,000,000      (貸) 現金  1,000,000


「商品25万円を仕入れて、小切手を振り出して支払った。」
小切手振り出し→当座預金で支払われる→当座預金の減少→資産マイナス。仕入は費用+。

(借) 仕入  250,000      (貸) 当座預金  250,000


「商品10万円ぶんを販売して、代金を小切手で受け取った。小切手はすぐ当座預金に預けた。」
売上→収益+。小切手を受け取る→現金+。当座預金に預ける→当座預金+。

(借) 現金     100,000      (貸) 売上  100,000
(借) 当座預金 100,000      (貸) 現金  100,000
                  ↓まとめる
(借) 当座預金 100,000      (貸) 売上  100,000


(・∀・) 手形も当座預金もそうだけど、使ったことないのばかりで現実感がないお。


(○-○) そうだなあ。wikipedia:預金によると、「当座預金 …… 個人での開設は近年の日本においては審査が厳しくほぼ不可能である。」って書いてあるな。


(○-○) 当座借越(とうざ かりこし)は当座預金にあずけた以上の金額を小切手で振り出し(引き出し)ても、銀行が一時的に立て替えて支払ってくれる制度のことだ。

銀行に一時的に借金してしまうことになるな。


(・∀・) リボ払いみたいなもんかお?


(○-○) かなりちがうだろ。借越限度額ってのがあって、そこまでしか払ってくれないし。

当座預金の残高が20,000しかないときに、500,000の小切手を振り出して商品を仕入れました。」
当座借越は借金だから当然負債+。当座預金減少は資産−。仕入で費用+。

(借) 仕入  500,000      (貸) 当座預金  20,000
                             当座借越 480,000

「早く返済しようと思い、当座預金口座に600,000預けた」
当座借越の債務は全部返せたな。負債−。残りは当座預金に預けて資産+。現金は資産−。

(借) 当座借越  480,000      (貸) 現金  600,000
     当座預金  120,000


次は「未払金(みばらいきん)」だ。
これは買掛金と近いんだ。「代金は後払いね」って言って品物だけ先に受け取るとき、あとでお金を払う義務が生まれる。その受け取った品物が「商品」なら買掛金で、「商品以外の物品」なら未払金の仕訳になる。


「やる夫商店は業務用車両として GT-R R35 を¥8,000,000で購入して、代金は月末に支払うことにした」
車両はやる夫商店で販売しない、つまり商品以外の物品だから、未払金勘定になる。
車両は資産+。未払金は負債+。

(借) 車両  8.000,000      (貸) 未払金  8.000,000


(・∀・) GT-RのRは不敗神話のRだッ!こじるようなステアリングだ!ズギャギャーッッ しかし業務用車両に800万円は無茶すぎるお


(○-○) 次は「前受金(まえうけきん)」だ。
これは予約金(手付金)を受け取ったときの勘定項目だ。


「やる夫商店は¥100,000ぶんの商品の注文を受けた。販売前なのだが予約金として¥30,000受け取った。」
予約金はまだ売上にしてはならないんだ。まだ客に商品を渡してないからね。
むしろ客に商品を渡す義務が生じている。だから予約金は、負債の勘定なんだ。
現金は資産+、前受金は負債+。

(借) 現金  30,000      (貸) 前受金  30,000


「代金の残額を受けとり、商品を引き渡した」
客に商品を引き渡したので、売上に計上できる。
引渡し義務(負債)がなくなったので負債−。

(借) 前受金  30,000      (貸) 売上  100,000
     現金    70,000


(・∀・) 手付金といえばマンションの賃貸を借りるときに払ったことがあるお。


(○-○) 次は「仮受金(かりうけきん)」だ。
これは内容が不明の受け取った金をとりあえず帳簿につけるときに使う勘定項目だ。


「得意先のお客さんが現金¥250,000渡されたが、何のお金かわからない」
仮受金はこの段階では負債+だ。

(借) 現金  250,000      (貸) 仮受金  250,000


「数日後機会があったので問いただしたら、予約のための前払いだった」
仮受金は負債ではなくなったので負債−。予約のためのは前受金で負債+。

(借) 仮受金  250,000      (貸) 前受金  250,000


(・∀・) 店の前に財布がおちてたときも仮受金にするのかお?


(○-○) その場合は警察に届けるだろ。

次は「預り金(あずかりきん)」だ。勘定項目の中でひらがなが入るのはこれと「のれん」だけかな。


「従業員の給料¥200,000から所得税10%を天引きして、残りを現金で支払った」
この所得税10%天引きは、あとで税務署に支払う義務があるから負債+だ。給料は費用+。現金は資産−。

(借) 給料  200,000      (貸) 現金  180,000
                             預り金 20,000


所得税を税務署に支払った」
税務署に支払う義務がなくなったから債務−。現金も減少で資産−。

(借) 預り金  20,000      (貸) 現金  20,000


(・∀・) まだあるのかお? 負債の勘定項目って多すぎるお。


(○-○) 負債の勘定項目をひっくり返すと資産の勘定項目になるからな。覚えることは減ってきているぞ。

次は「商品券」だ。


「商品券を¥30,000販売して、現金¥30,000受け取った」
自社の商品券を売るということは、あとで¥30,000の商品を引き渡す義務が生まれるということなので、負債+。まだ売上にはできない。現金増加は資産+。

(借) 現金  30,000      (貸) 商品券  30,000


「商品が¥54,000売れて、その支払いに商品券30,000も受け取った。」
商品を引き渡す義務がなくなって負債−。売上は収益+。

(借) 商品券  30,000      (貸) 売上  54,000
     現金    24,000


(・∀・) ヨドバシカメラとかのポイントはどう計上するんだお?商品券と同じかお?


(○-○) ポイントはヨドバシカメラからすると負債だが、買う客からすると、値引きさせる権利ということになるのかな。うーむ。